【リディアリッチ】海外FXで8億円詐欺?!真相を究明しました
2016年7月31日。国内外問わずFXトレーダーを震撼させる事実が発表されました。
海外FXで総額8億円超の詐欺被害
ロイターの報道によると「出金拒否されて資金を全額失った」という報告が約80人から寄せられており、被害総額は8億3000万円にまでに膨れ上がっているそうです。
同じFX、とくに海外FXというフィールドで戦っているトレーダーにとって、この詐欺被害は他人事ではありません。少し間違っていたら、あなたが被害者になってたかもしれませんからね。
ここでは今回の詐欺の実態を究明しながら、同じような被害に合わないような対策ついて紹介していきます。
目次
海外FXで8億円をだまし取った恐るべき詐欺手法とは?
今回の海外FX詐欺は「リディアリッチ被害者の会」というインターネットサイトのまとめから明らかにありました。
リディアリッチ被害者の会の言い分をもとに、今回の詐欺の実態を暴いていきましょう。
詐欺の黒幕?!リディアリッチって何者?
リディアリッチとはニュージーランドに本拠地を置く金融サービス会社です。日本人向けにサービスを展開しています。
主なサービス内容は「海外口座が簡単に作れる」というもの。現地に行かなくても手軽に海外口座を作れるサービスを売りにしています。
リディアリッチを語る上で欠かせないのは「i-Account」です。
「i-Account」を利用すれば海外口座経由のデビットカードが作れるので、日本国内でも海外でもカード1枚で食事やショッピングを楽しむことができます。
今回はその「i-Account」に海外FX詐欺の被害金が集まっていることで、事件の黒幕として槍玉に上がったのです。
リディアリッチはノーライセンスで営業している?
実は今回の詐欺が発覚する前から「リディアリッチは怪しい」という噂がありました。
リディアリッチの本拠地であるニュージーランドの金融規制は少し特殊で「ニュージーランドの人向けに営業しなかったら、金融サービスに免許がいらない」という取り決めがあるからです。
つまりリディアリッチは日本人向けに金融ライセンスなしで営業している可能性が高いといえます。(裏取りはしていません、あくまで憶測です。)
ライセンスを持っていないということで「リディアリッチ関係の海外口座に入金するのは危ない」というのが囁かれていたわけですね。
詐欺の手口を1つ1つ詳しく見ていく
リディアリッチ被害者の会が「これで騙された!」と嘆いている詐欺の手口は以下の通りです。
- 国内のトレーダー・投資家に自動売買(EA)を売りつける
- 海外口座への入金を促す
- お金を引き出させてくれない
- 「取引が失敗した」とだけ残して音信不通
1つずつじっくり見てみましょう。
(※以下は国民生活センターの自動売買ソフト等で購入させ、海外FX取引に誘う手口とリディアリッチ被害者の会をもとに管理人が独自に推測したものです。)
①国内のトレーダー・投資家に自動売買(EA)を売りつける
今回の詐欺被害の入口は日本国内にありました。
日本国内のトレーダーや投資家に対して「おいしい話があるから投資してみないか」とすり寄っていったんですね。
勧誘のきっかけつくりはEA(自動売買)の販売です。EAは自分で実際に取引しなくても、ただ稼働させておくだけで勝手に取引してくれる優れもの。
「収益率の高いEAができました。買いませんか?」といった感じでどんどんEAを売り出してきました。
「何をしなくてもお金を稼げる」と思った顧客はまんまと数万円のお金を出してEAを買ってしまったというわけです。
②「EAは国内口座では使えない」という口実で海外口座に入金させる
EAを購入した顧客に次はこう切り出します。
「あなたが購入したEAは国内では使うことができません。EAを使うには海外にFX口座を開設する必要があります。」
口座の開設先は香港や中国です。客観的に見ればこの時点で怪しい匂いがプンプンしますが、もうお金を出してEAを買ってしまった手前、もう後には引けません。
言われた通り、海外に口座を作って入金してしまいました。
この海外口座開設の流れにリディアリッチがかかわっているとされています。
③出金申請に対しては「未決済のポジションがある」の一点張り
顧客の入金が完了すると、まずは資金の運用実績を見せながら「今順調ですよ」ということをアピールして、さらなる入金を促します。
一方で「もう十分に儲けることができた」と考えて出金しようとする顧客に対しては「ポジションを決済してないから出金できない」の一点張り。
たしかにFX取引ではポジションを決済しないと利益を確定することができません。
こう言われてしまうと顧客側もお手上げです。「まあ出金はまた今度でいいか…」ということで引き下がります。
④「投資が大失敗して口座残高がなくなりました」で音信不通
③の出金拒否の噂が広がると、これ以上顧客やお金を集めるのが難しくなりますね。見切りをつけて顧客資金もち逃げの策に打って出るのです。
具体的には「今回のEA取引は大失敗に終わりました」という旨を顧客に伝えて海外口座の資金を「0」にします。
もちろん口座に入金した顧客側は納得がいかないので、何度も問い合わせを試みるも一向に音信普通。以後顧客にお金が戻ってくることはありませんでした。
海外を経由したお金の動きは警察をはじめ、日本の金融庁も確認することが難しいので、お金をだまし取られた顧客は泣き寝入りするしかありません。
一方で詐欺業者は別の架空会社を作るなど、次の詐欺に向けて準備を始めます。
【巨匠のワンポイント】この詐欺手口が明らかになったのは初めてじゃない?
今回の総額8億円詐欺の手口となった手法は、別に目新しいものではありません。
実は以前から国民生活センターに「国内FXと海外FXが連携して詐欺を働いていた」という報告はされており、以前当サイトでも「海外FXの詐欺の手法・手口から、悪徳ブローカーに騙されない方法」で取り上げていました。
以前からの詐欺被害の積み重ねが今回の総額8億円詐欺のつながったのでしょう。
海外FX8億円詐欺から考えるFX取引の教訓
トレーダーの方も「自分が被害にあわなくてよかった」とホッとしている方が多いでしょう。
当サイトで紹介しているブローカーの中で香港や中国に本拠地を置いてませんし、リディアリッチの詐欺の片棒を担いだブローカーはありませんでした。
しかしこの事件を「他人事」で終わらせてはいけません。
次はあなたが被害者になってしまう可能性だってありますからね。
そこで今回暴かれた詐欺から、これから海外FXとどう付き合っていくべきなのかについて解説していきます。
火がないところに煙は立たない!リディアリッチ関連の海外FX業者に注意!
まずリディアリッチ関連の海外FX業者に注意すべきなのは言うまでもありません。
具体的には以下の3つの海外FX業者がリディアリッチのペーパーカンパニーといわれています。
- IXI-FX
- VLT-FX
- SEVENFX
【IXI-FX】や【VLT-FX】は現在日本人向けに運営していません。ただ海外FX業者で「撤退→復活」はよくある話なので(※)名前だけでも覚えておいてください。
(※参考:IronFXという海外FXブローカーは2014年1月に日本市場から撤退した後、2015年から日本人向けにサービスを再開しています。)
最も注意すべきなのはSEVENFXです。SEVENFXに関しては現在も平然と運営しています。
この3社に共通しているのはすべてセーシェル共和国という国に本拠地を置いているということ。この他にもセーシェルに本拠地がある海外FXブローカーには近づかないほうがいいでしょう。
どこの国のライセンスにも登録していない業者にも注意!
現在運営中のSEVENFXに関しては、れっきとした無登録業者です。どこの国のライセンスにも登録していません。
公式ホームページにはライセンス番号として「Seychelles Licence No.CSL243」と記されていますが、これはただの法人番号です。ライセンスを持ってないことすらカモフラージュしようとしています。
金融ライセンス機関から監視・規制されてないブローカーはかなり危険です。資金保証のための信託保全が用意されていないのはもちろん、顧客資金も運営資金と同一で管理されていてもおかしくありません。
リディアリッチ関連の海外FX業者はもちろん、どこの国のライセンスも持ってないような無登録業者には気を付けてください。
(参考:海外FX業者は無登録で危ない?日本の金融庁に登録されてないってホント?)
EA関連の「おいしい話」には気を付ける
今回の詐欺は収益性が高いEA、つまり「何もしなくても儲けることができる」という話から始まってます。
これはよくよく考えればおいしすぎる話。他の人が汗水働いてお金を稼いでいるなかで、自分は寝てるだけでお金を稼げるわけですからね。
おいしい話には絶対裏があります。特に今回のようにEAは詐欺業者が「エサ」として使いやすい代物なので注意が必要です。
EAの知識が乏しい方は下手にEAに手を出さないように気を付けてください。
海外FX8億円詐欺の教訓を生かして自分の取引を見直そう
詐欺の被害にあわれた方はお気の毒ですが、今回の8億円詐欺は他のトレーダーの方にとっては自分の取引を見直すチャンスになったといえます。
「自分が取引しているブローカーは本当に安心できるといえるのか」についてもう1度見直してみてください。
特に上で紹介したリディアリッチ系のSEVENFXや、同じような無登録業者で取引している方は今すぐ口座の乗り換えをおすすめします。(→海外FX業者 総合人気ランキング)
また今回の事件は管理人自身も深く考えさせられました。当サイトで紹介している海外FX業者で詐欺が発生したら、管理人自身がが詐欺の片棒を担ぐことになってしまいますからね。
これからもより一層、海外FXの安心面・安全面に配慮しながらサイト運営に尽力していきます。
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